2026年09月10日
厚生労働省の中央最低賃金審議会で2026年度の最低賃金の目安を全国加重平均で1,176円にすることが決定されました。
昨年の全国平均である1,121円から55円の引上げで伸び率は4.9%でした。
具体的な引上げの目安はAランク54円、BとCランクは56円でした。
5年度は6.0%でしたが6年ぶりに伸びが縮まりました。今後、各地方審議会では目安を上回る場合もあります。
最低賃金はコロナ以降大幅な引上げが続いてきました。
物価上昇が続いているためで、岸田内閣は「30年代半ばまでに全国平均1,500円に」、石破内閣では「20年代に」と前倒し方針を掲げ高市内閣では「30年代前半の早い時期に」と修正しています。
賃金台帳から現在の時給が最低賃金に近い従業員を洗い出し、また、月給者でも1か月平均所定労働時間で割り、時間額を算出します。
その中には固定残業代、通勤手当家族手当、賞与などは入れません。
次に最低賃金の対象者だけを引き上げると社員とパートタイマーの賃金差が縮小し、勤続年数や職務内容に応じた賃金バランスが崩れて、不満、離職につながらないとも限りません。
単なる最低賃金引上げだけに留まらず、全体のバランスに配慮する必要があります。
日本経済は物価の伸びを上回る賃上げの定着と人手不足への対対応という課題に直面していて、最低賃金の引上げによる正社員の賃上げは今後も続くとみられます。
しかし最低賃金と同程度で働く労働者は増えており、改正された後、下回る割合は小規模事業所で増えており、30人未満事業所では25年に27.7%ということです。
25年度も「最低賃金を下回る従業員がいたため賃金を上げた」中小企業は45.1%でした。
最低賃金が労働者全体に与える影響は広がっています。
最賃の時給が改定されると翌年度の社員の処遇改善にも波及していくからです。
最賃が上がることで労働意欲を高める効果もあり就業者数が増えることも考えられます。
ただ企業の負担を考えると必要な価格転嫁や生産性の向上を進めなければ運営が立ちいかなくなる可能性があります。