2026年07月30日
海外の通販サイトを使ったことがある方なら、一度は首をかしげたことがあるのではないでしょうか。
国内では千円以上するような輸入品が、送料込みの数百円で届く。
品質や人件費の差だけでは説明しきれない安さの正体、実は「関税や消費税がかかっていなかった」という部分が大きいのです。
現行の制度では、海外から届く荷物のうち課税価格の合計額が1万円以下のものは、関税も消費税もまとめて免除されます。
1,000円のTシャツが海外サイトから届いても、税金はゼロ。
一方、国内の小売店が同じ輸入品を仕入れて販売すれば、消費税がしっかりかかります。
「海外から消費者が輸入品を購入すると無税、国内の店舗には課税」という、少し不公平な状態が長く続いていたわけです。
財務省の資料によれば、令和6年の少額貨物の輸入許可件数は約1億7,000万件にのぼり、全輸入件数の約9割を占めています。
令和8年度税制改正大綱で、この免税の取扱いが見直されることになりました。
海外の通販サイト経由で届く1万円以下の輸入品も、新たに消費税の課税対象に加わります。
施行は令和10年(2028年)4月1日から。
これまで「免税」というアドバンテージで割安感を出せていた海外サイトの輸入品に、いよいよ消費税が乗ってくる形です。
「消費税を課税するといっても、海外の会社から取り立てるのは難しいのでは?」と思われる方も多いでしょう。
今回の改正では、売場を運営している大手サイト事業者に消費税の納税義務を課す仕組みも同時に導入されます。
商品を売った海外の業者ではなく、その市場を運営する会社に払わせる、という発想です。
EUや英国、オーストラリアではすでに導入済みで、日本もこの国際的な流れに追随する形となります。
施行まではまだ約2年あります。
とはいえ、長年「不公平な競争」を強いられてきた国内の中小事業者にとっては、価格面での差が縮まる追い風になるかもしれません。
仕入先の再検討や価格戦略の見直しを、今から少しずつ準備しておく価値はあるでしょう。