2026年06月02日
何十年にもわたり育み成長させてきた会社をM&Aで売却することになったら、何十億円かの値段になったりします。
しかし、この値段は、何十年にもわたる長期所得そのものなのに何の配慮もなく、その年だけ臨時に富裕層課税対策の対象にされてしまいます。
そんな中で、唯一、検討可能なのは、M&A価格の一部の退職金化です。
それが、ミニマム税制度の適用において、どんな効果を発揮するか、検討します。
シミュレーションしてみると
10億円のM&Aで、40年勤続2,200万円の退職所得控除の場合の試算です。
| 株式代価 | 退職金 | 所得税計 | ミニ税 |
|---|---|---|---|
| 10億円 | 0円 | 1.50億円 | 1.005億円 |
| 9億円 | 1億円 | 1.48億円 | 0.844億円 |
| 8億円 | 2億円 | 1.55億円 | 0.619億円 |
| 7億円 | 3億円 | 1.63億円 | 0.395億円 |
| 6億円 | 4億円 | 1.70億円 | 0.170億円 |
| 5億円 | 5億円 | 1.77億円 | 0円 |
| 4億円 | 6億円 | 1.85億円 | 0円 |
| 3億円 | 7億円 | 1.93億円 | 0円 |
| 2億円 | 8億円 | 2.00億円 | 0円 |
| 1億円 | 9億円 | 2.08億円 | 0円 |
所得税計とミニマム税との合計は、ミニマム税が0になったところで、最低で、その後増加します。
ミニマム税に対しては、この通り、退職金化が効果を発揮することの確認ができます。
効果の主因は、退職所得が2分の1課税なので、所得全体を圧縮するからです。
もっと、一般化した情報にしたいと思います。次は、令和9年以降のミニマム税算式です。
(A)基準所得金額:(B)基準所得税額
M&A価格Y、退職給与X、(Y-X)を株式譲渡価格、退職所得控除Kとして、算式中のAを、<(Y-X)+(X-K)÷2>に置き換え、Bを<0.15(Y-X)+0.45(X-K)÷2-4,796,000>に置き換えます。
置き換え後、ミニマム税を0として、算式を展開整理すると、次式に整理されます
この算式に、Y=10億円、K=2,200万円を代入すると、X≒4.75億円になります。この時、手取額が最大になります。