2026年04月17日
平成21年度自民党税制改正大綱に「給付付き税額控除の検討」の文言があり、平成21年改正法附則に「給付付き税額控除(給付と税額控除を適切に組み合わせ)の検討」が明記されたものの、その後、具体的な制度設計には至っていません。
給付付き税額控除の議論は、所得控除は限界税率の高い高所得者ほど減税額が大きく、そこでは再配分機能が働きません。
そのため、負担軽減効果を定額にする税額控除への転換があるべき制度という提案が起き、さらに控除しきれない部分を給付する仕組みへと議論が進みます。
日本の実際の制度をみると、この理念型がそのまま実現しているわけではなく、子ども手当の場合、所得控除を廃止して、税額控除化をせず、現金給付を行う制度にしています。
また、岸田政権下で実施された定額減税は、全国民への定額給付が内容で、税額控除と給付を組み合わせた仕組みです。
所得税額控除までは、年末調整を通じての執行で、控除不足はさらに、所得税の申告で実行し、さらに残る控除不足額は住民税から控除し、その後の控除不足は、地方自治体からの還付でした。
給付付き税額控除の執行実験だったようにも見えます。
世界の給付付き税額控除の先行事例として紹介されているものの多くは、日本の現行実態程度のものを含んでいます。
純粋な給付付き税額控除を制度化している国は少数です。
米国型とされる就労促進目的の制度は、控除しきれない税額控除額を給付するものの、金融所得・不動産所得の上限要件があり、控除額は所得の増加に伴って逓増し、上限に達すると逓減する仕組みです。
例えば、現行基礎控除の0~95万円を一桁下げた額0~9.5万円で税額控除化し、控除不足額を還付する制度創設は簡単です。
同じく、他の人的控除を税額控除化するのも可能です。
ただし、制度の執行を、年末調整や所得税申告、住民税の執行とどう嚙合わせるかは容易ではありません。