いわゆる「年金制度改正法」が2025年6月20日に公布されました。
この改正では、社会保険の適用拡大の他、在職老齢年金の見直しや遺族年金の男女格差是正などが盛り込まれています。
厚生年金の標準報酬月額上限引き上げは、報酬や給与水準が高い社長や役員、従業員の保険料負担に大きく影響します。
厚生年金の標準報酬月額の上限は、現在の65万円から75万円まで、下記のスケジュールで引き上げられます。
引き上げ時期 | 標準報酬月額上限 | 賞与を除く報酬月額(以上~未満) |
現在 | 65万円 | 63.5~66.5万円 |
2027年9月 | 68万円 | 66.5~69.5万円 |
2028年9月 | 71万円 | 69.5~73.0万円 |
2029年9月 | 75万円 | 73.0万円 |
標準報酬月額65万円以上の方の厚生年金保険料(会社・被保険者折半額)は、下表の通りとなります。
標準報酬月額 | 改正前(月額) | 改正後(月額) |
65万円 | 59,475円 | 59,475円(±0) |
68万円 | 62,220円(+2,745) | |
71万円 | 64,965円(+5,490) | |
75万円 | 68,625円(+9,150) |
在職老齢年金による支給停止がなければ、改正後の標準報酬月額に10年間該当した場合の受給額は下記の通り増額となります。
標準報酬月額 | 年金受給額の増加額 |
68万円 | 約1,500円/月(終身) |
71万円 | 約3,000円/月(終身) |
75万円 | 約5,100円/月(終身) |